優しい彼と愛なき結婚

「おまえひとりに背負わせて、悪い」


テーブルに頭をつけて、今度はきちんと謝罪を入れた。私も同じように頭を下げる。


大悟さんの大切な場所を守ってくれてありがとうございます。


「止めてくれよ。俺もフリースクールには救われたんだ。幸いお金には困ってないしね」


爽やかに言ってのけた副社長は迷いのない目をしている。



「そこで大悟に提案なんだけど」


「なに?」


「赤羽電機の本社で働かない?うちは部署が異なれば職場結婚は問題ない」


「…なんで」


無理だろうな。
正社員になってしまえばフリースクールに通う時間は短くなってしまうだろうから。

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