優しい彼と愛なき結婚
「だけど、夫婦でいる間は俺のことを旦那として見てな。せっかく一緒に暮らすんだから、楽しくやろう」
「大悟さん…」
「俺は金のために結婚までしようとするアンタの真面目すぎるとこ、好きだよ」
他人から見たら絶対にバカな女だと笑われる。そう思っていたことを認めてもらえた。
大悟さんの言葉は全て胸に響く。
「さらさらな髪も、二重瞼の大きな目も、キスしたら美味しそうな赤い唇も、全部好きだ」
どうしよう。嬉しい。
だけどどのような反応をしたら良いか分からなくて、繋がれた手を見つめる。
「限りある時間だとしても一瞬一秒を大切にして、家族になろう」
「はい。宜しくお願いします」
「堅いなー」そう言って笑う大悟さんの笑顔を忘れることはないだろう。