優しい彼と愛なき結婚
「おばあちゃん、おはよう」
自室で神棚に手を合わせている祖母に声を掛ける。
「おはよう。今日はいい日だねぇ」
持病のせいで顔色は優れず、すっかり白髪になってしまったけれど、その言葉通り今朝の祖母は随分と生き生きしている。
祖母を安心させるためにも結婚して良かったと思ってしまった。
「おばあちゃんは大悟さんに会ったことあるんだよね」
「小さい頃からよく知ってるよ。私が入院した時にお見舞いに来てくれたんだよ。優しい子だよ」
「うん」
「大悟くんなら、大切な優里を安心して任せられるね」
「うん」
ごめんなさい、おばあちゃん。
私はきっと、おばあちゃんよりも大悟さんのことをよく知らない…。