優しい彼と愛なき結婚

大悟さんのジャケットをハンガーにかけ、お茶を煎れる。4人掛けのテーブルが全て埋まったことは本当に久しぶりで感慨深い。


「へぇ、歩夢はフットサルのサークル入ってんだ。青春だねぇ」


「はい。たまにバイト先の先輩のチームに入れてもらって試合することもあります」


「他のチームに入ることって結構勇気いるよな。そのチームの空気感と最初はよく分からないし」


「そうなんです!大悟さんはスポーツされていたのですか」


前のめりで歩夢が質問する。
歩夢がフットサルをやっていることは知っていたが、具体的なことは聞いたことがなかった。私も祖母もルールすら曖昧で、話し相手にならなかったのだろう。


「俺は高校までサッカー部だった。大学でも続けていたけど、他にも色々掛け持ちしてたわ。テニスとかバスケとか。まぁ睡眠時間は全てバイトに費やしてたけどな」


大学時代の大悟さん。
どうしてこれまで私たちは接点をもてなかったのだろうね。せめてもう少し早く出逢えていたら、今の状況は変わっているのだろうか。

それからも歩夢は大悟さんに質問を重ねていたけれど、私自身もその答えは初耳のことばかりだった。


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