優しい彼と愛なき結婚

とても勇気のいる恥ずかしいお願いだった。


「ダブルベッドにしたい?」


家具屋に行く前に入ったカフェで大悟さんに打ち明けた。

彼はホイップたっぷりのワッフルを食べながら少し怪訝そうな顔をした。

嫌、だよね。


少し傷付いて、それでも平然としたフリをして続ける。



「祖母たちを呼ぶこともあると思うので、最初から寝室が別々というのは…心配をかけてしまいそうで……最初だけで良いので、お願いできませんか」


「…俺の寝相が悪いとか、いびきがうるさいとか。それ相当の理由付けをすれば問題なくない?」


いつもは私の返事を快諾してくれるのだが、こればかりは大悟さんの答えはノーだった。

そうだよね…やっぱり嫌だよね。


「分かりました!それならダブルベッドで大悟さんは寝てください。私は空いてる部屋で布団を敷いて寝ます」


「なんでそこまでする必要があるの?今時、夫婦の寝室が別々なのも珍しくないと思うぜ。うちなんかは最初からそうだし」


納得できない顔の大悟さんは今日はすんなり引いてくれなかった。
恥ずかしいから、早く終わらせたいのに。


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