優しい彼と愛なき結婚

引越業者が帰った後、少し遅いお昼になった。
張り切って歩夢が用意してくれたちらし寿司と、私の好きなコロッケ、生姜焼き、グラタンが並んだ。

後、大悟さんの好きな唐揚げもある。
本当に気遣いのできる自慢の弟だ。


「和食と洋食、混ざっててすみません」

「いやいや。レパートリー多くてどれも美味しそうだわ。食っていい?」

「どうぞ」


コロッケを食べる大悟さんにお皿に取り分けたちらし寿司を渡して反応を伺う。


「歩夢!すげぇ美味い」


パクリとコロッケをもう一口食べて、更にちらし寿司を頬張る大悟さんの反応に歩夢はとても嬉しそうだ。


「ちらし寿司もかなり美味しいけど、作るの大変だったろ?ありがとな」

「良かった…家族以外に食べてもらったことないから、緊張しました」

「本当に美味いよ」


大悟さんに肩をバシバシ叩かれた歩夢は照れ臭そうに笑った。


「大悟くん、私の作った漬物も食べるかい?」

「食いたいです」


おばあちゃんまで嬉しそうに漬物をよそってくる。

最近、私は残業で歩夢もバイトが忙しく、おばあちゃんと一緒に食事をする回数が減ってしまっていたから、久しぶりの賑やかな食卓になった。

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