優しい彼と愛なき結婚

お弁当の下ごしらえをして寝室に向かう。
できれば眠っていて欲しかったけれど、小さな明かりをつけ、大悟さんは携帯を見ていた。


「今日の弁当、すごく美味しかった」


ベッドの右側を空けてくれたので、ごく自然に寝転がったつもりだ。


「お口に合って良かったです」


「無理しなくていいからな。作れる時だけ、お願い」


「はい。あ、買い出しありがとうございます」


冷蔵庫を開けたら、野菜や肉が増えていた。明日のお弁当に使わせてもらおう。


「帰り道、歩夢と会って一緒に買いに行ったんだ」


「歩夢、すっかり大悟さんに懐いてますね」


「そうだな。夕飯もばあちゃんと3人で食ったし、家族として認めてもらえているなら嬉しいよ」


お互い天井を見つめながら話していると、もぞもぞと大悟さんが動き、身体ごとこちらを向いた。


「優里は大丈夫?無理してないか?」


また私を気遣う言葉をくれて、大悟さんの優しさに触れた。


< 93 / 240 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop