優しい彼と愛なき結婚
お弁当の下ごしらえをして寝室に向かう。
できれば眠っていて欲しかったけれど、小さな明かりをつけ、大悟さんは携帯を見ていた。
「今日の弁当、すごく美味しかった」
ベッドの右側を空けてくれたので、ごく自然に寝転がったつもりだ。
「お口に合って良かったです」
「無理しなくていいからな。作れる時だけ、お願い」
「はい。あ、買い出しありがとうございます」
冷蔵庫を開けたら、野菜や肉が増えていた。明日のお弁当に使わせてもらおう。
「帰り道、歩夢と会って一緒に買いに行ったんだ」
「歩夢、すっかり大悟さんに懐いてますね」
「そうだな。夕飯もばあちゃんと3人で食ったし、家族として認めてもらえているなら嬉しいよ」
お互い天井を見つめながら話していると、もぞもぞと大悟さんが動き、身体ごとこちらを向いた。
「優里は大丈夫?無理してないか?」
また私を気遣う言葉をくれて、大悟さんの優しさに触れた。