先生、好きって言って。
『ん。俺のでいいか?』
そう言って、先生は自分のスマホを私に差し出した。
「い、いいんですか…?」
『いいよ。』
そして私は先生のスマホを受け取った。
「じゃあ、撮りますね〜。はい、チーズ。」
パシャッ
「多分、いい感じに撮れたと思います!」
『そうか、ならよかった。ほら、そろそろ立てるか?』
先生は私に手を差し伸べてくれた。
私はそっと先生の手を掴んだら、優しく引いてくれた。
「ありがとうございます…。あ、あの写真って…」
「らんー!!」
ん?この声は…
真広?
振り返ると看板を持ちながらこちらへ走ってきている真広がいた。
「だ、大丈夫か?急にいなくなったからあちこち聞き回ったら男と一緒にトイレの方に歩いて行ったって聞いたから走ってきたんだけど…」
と、真広の目線は私から先生へと移った。
「真広、心配してくれてありがとう。先生が助けてくれたからもう大丈夫だよ。」
「そ、そうか。」
気のせいかもしれないけど、真広の声が少し低いような…。