聖女の魔力が使えません!~かわりにおいしい手料理ふるまいます~
*
すん、すん、と定期的に鼻をすする音がする。
深い眠りに入っていたようで、しばらくはその音がオルゴールか何かだと思っていた。
だが、そんなおかしな音があるか?と思い至ったところでようやく意識が覚醒し、薄目を開けてみれば、ベッドを見守るような位置にいずみが椅子に座っていて、両手で顔を押さえながら肩を震わせていた。
「……イズミ? どうした、イズミ。泣いているのか?」
「アーレス様、目覚めたんですか?」
顔を上げた、彼女の瞳は濡れていた。
驚いたように目を丸くしていて、青ざめてると言えるくらいに顔色が白かった。
だが彼女は、もっと重病人を見るような目でアーレスを見つめ、額の熱を確認し始めた。
「大丈夫ですか? 丸一日目覚めなかったんですよ?」
「丸一日? 今日は何日だ?」
アーレスが倒れたのは、昨日の夕刻。熱があるのに無理を押して歩いた彼の傷口は開きかかっていて、絶対安静を言い渡された。
その間はいずみも入ることができず、不安に思いながらも騎士団の食堂を手伝うことでなんとか不安な時間を過ごしていた。
そして昼食を終えた後、熱が下がったのを確認した医師が、部屋への立ち入りを許可したので、食堂の片付けを終えたのと同時に部屋に陣取った。……で、今である。
すん、すん、と定期的に鼻をすする音がする。
深い眠りに入っていたようで、しばらくはその音がオルゴールか何かだと思っていた。
だが、そんなおかしな音があるか?と思い至ったところでようやく意識が覚醒し、薄目を開けてみれば、ベッドを見守るような位置にいずみが椅子に座っていて、両手で顔を押さえながら肩を震わせていた。
「……イズミ? どうした、イズミ。泣いているのか?」
「アーレス様、目覚めたんですか?」
顔を上げた、彼女の瞳は濡れていた。
驚いたように目を丸くしていて、青ざめてると言えるくらいに顔色が白かった。
だが彼女は、もっと重病人を見るような目でアーレスを見つめ、額の熱を確認し始めた。
「大丈夫ですか? 丸一日目覚めなかったんですよ?」
「丸一日? 今日は何日だ?」
アーレスが倒れたのは、昨日の夕刻。熱があるのに無理を押して歩いた彼の傷口は開きかかっていて、絶対安静を言い渡された。
その間はいずみも入ることができず、不安に思いながらも騎士団の食堂を手伝うことでなんとか不安な時間を過ごしていた。
そして昼食を終えた後、熱が下がったのを確認した医師が、部屋への立ち入りを許可したので、食堂の片付けを終えたのと同時に部屋に陣取った。……で、今である。