The Last -凶悪-


「僕のお母さん  4年1組 氷室ミライ。

僕のお母さんは僕が産まれた時に天国に旅立っていきました。

だから僕はお母さんに会ったことがありません。


でも、今日僕が履いている靴下は、

お母さんが着ていたセーターから、
お父さんが作り直してくれたものです。

僕の胸についているワッペンは、

お母さんが僕の為に用意していた子供服についていたものを、

お父さんが付け直してくれたものです。


僕はお母さんに会ったことがありませんが、
いつも身近にお母さんを感じています。

“ミライ”という名前も、
お母さんがつけてくれました。

“この子には明るい未来を歩んで欲しい”
“この子には光り輝く未来が待っている”

僕がお腹にいる時、
お母さんが涙を流して言ったそうです。


だから僕はお母さんの分も幸せになって、
天国のお母さんが喜ぶよう、

これからもお父さんと二人で一日一日、

幸せを感じながら未来に向かって過ごしていきたいと思います。」





クラスメイトはポカーンと聞いていたけど、

担任の先生が涙を堪えているのが印象的だった。


発表を終えた夜、

“でもこれ、ちょくちょくお父さんも出てきてるから、結局「僕のお父さん」になってない?”

と聞いたら、


「お、おぉ・・確かにそうだな。」

と答えて2秒の無言の後、
二人で大笑いした。


















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