エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~
準備を終えたころ、貸し切りバスに乗った子供たちがやってきた。バスから降りた子供たちは楽しみにしていたのか興奮気味で、すでにあちこち走り回っている。
しかしひとたび兄が声をかけると、ピシッと整列するのだからすごい。
いくつかのグループに分かれて、さっそくバーベキューを始めた。
日菜子と拓海は、幼稚園の年長クラスの補助を担当する。普段からあまり火に触れたことのない子は、火を怖がってなかなか網に近づけない。他の子が楽しんでいる様子を見ているだけだ。
「どうした、怖いのか?」
「……うん」
拓海が声をかけると男の子は素直にうなずいた。
「そうか、わかった。でも何もしないで帰るのは寂しいだろ。だから俺と一緒に近くに寄るだけでもやってみよう」
拓海の言葉に最初は不安そうな顔をしていた子もうなずいた。彼は子供の手を引いて近づく。
「火の怖さを知ってるお前は偉いな。だんだん熱気……熱さが伝わってくるだろ。ほらもう少し……」
そういってゆっくりと近づけていく。すると網のすぐ傍まできた男の子は、他の子と同じように網に野菜を並べ始めた。
隣でかがんで子供と視線を合わせた拓海は、すごくうれしそうに男の子を褒めていた。
また彼の新たな一面を目にして、こっそり胸をときめかせていた日菜子だったが、その後は食欲旺盛な子供たちのお世話にせわしなく動き回ることになった。
食後子供たちは遊びに夢中になる。男の子も女の子もはじめて会った拓海に興味津々で、あちこちと彼を連れ回していた。
一緒におにごっこをしたり、かけっこをしたり、キャッチボールをしたり。全力で子供たちに向かい合う姿を日菜子は見続ける。
(ちょっとでもいいアイデアが思い浮かべばいいな……)
そんなことをしていると、拓海がこちらを向いて大声で日菜子呼んだ。