エリート俺様同期の甘すぎる暴き方~オレ、欲しいものは絶対手に入れる主義だから~
 さっきまでとあまりにも様子が違うので、心配になって声をかける。

 すると拓海の顔がみるみると笑顔になる。

「日菜子、どんぐりだ」

「どんぐり?」

 いったいなんの話しなのかわからず、クエスチョンマークが頭の中に多数浮かぶ。

しかし拓海はそんな日菜子には目もくれずに、女の子の元に駆け寄る。

「どんぐり、好きか?」

「うん。お友達もみんな大好きだよ。だからわたし、今日はいっぱい拾って帰って、みんなにあげるの」

「そうか、じゃあ探しに行こう」

「うん!」

 元気いっぱいに返事をした女の子を抱き上げて、少し先の森へと拓海が駆けていく。

 その様子を見て「さっきのはなんだったんだろう?」と思うけれど、それ以上は深く考えずに、満面の笑みで子供たちに囲まれる拓海の元に向かった。

 それから拓海は子供たちにもみくちゃにされながら一緒に過ごし、彼らを見送った
、スタッフらとともに片づけをした。

 拓海は兄にきちんと挨拶をすませると、日菜子を助手席にのせてすぐに家路につく。

少し急いでいる様子の拓海に、鈍い日菜子もピンッときた。

「なにかいいアイデアが浮かんだの?」

「ああ、早く描かないと頭の中からこぼれ落ちそう」

「だったらわたしを送らなくていいよ。拓海の家の近くから電車で帰るから」

 できるだけ早く彼に作業にとりかかってもらいたいと思いそう伝える。

「わかった。でも後で送っていくからちょっと俺の部屋に寄ってもらってもいい?」

 ここれあれこれ話をしても仕方ない。日菜子は彼の提案を受け入れてそのまま、彼の部屋へとふたりで向かった。

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