あやかし神社へようお参りです。②
「た、大切なものなの。そんな風に触らないでっ」
心臓がばくばくと大きく波打って、声が震えそうになった。唇をきゅっと結んで、私を睨みつける賀茂くんをまっすぐと見つめ返す。
顔を顰めた賀茂くんはひとつ舌打ちをすると、すねこすりのお手玉をその場に投げ落とす。お手玉は落ち葉にカサリと紛れ込んだ。
「僕は本家からこの町を一任された。だから、僕は僕の仕事を全うするつもりだ」
何の感情も感じられないほど淡々とそう言い、そして彼は去っていった。
しばらく沈黙が流れる。鎮守の森の木々たちが、そんな私たちを心配するようにざわざわと音を立てて揺れていた。
足元で「麻、麻」と名前が呼ばれて視線を向ける。ふくりがすねこすりのお手玉を咥えていた。少し形が歪んでしまったお手玉をそっと両手で受け取る。鳥居の下まで歩み寄りその場にしゃがむと、他のお手玉に寄り添うように並べ直す。すると無性に悲しくなった。