あやかし神社へようお参りです。②
野袴に羽織と半着を身に着けた老人だった。目尻に皺の多い、人柄のよさそうな顔立をしている。ガラス玉のように澄んだ赤い目を弓なりにしてにこにこと笑いながら、ゆっくりとした足取りでこちらへ歩み寄る。
見た目はどこにでもいそうなお爺さん、しかし、袖から出ている腕が、彼もまた妖であることを物語っている。まるで野鳥の翼のように白い羽毛でびっしりと覆われて、鋭い三本の爪があった。
「勝手に入ってしまって申し訳ございません。ジジイになると朝日には弱くなるのか、最近は目が見えにくいようで」
申し訳なさそうに眉をひそめたお爺さん。私は慌てて首を振った。
「以津真天《いつまでん》のかげぬいと申します、結守の巫女さま」
「あ、えっと、中堂麻です。こんばんは」
お爺さんは驚いたように目を瞬かせた。え? と首を傾げていると、お爺さんは柔らかく微笑む。