あやかし神社へようお参りです。②


 「高校生になってそんなくだらない事するな、ダサいぞお前」


 眉間に皺を寄せた富岡くんが、クラスメイトの男の子にそう言った。皆がひそひそ話す声に耳を傾けると、なんとなく状況が分かった。

 クラスでも少し目立つ男子が、引っ込み思案で少し運動が苦手な男の子に、皆が出たがらない種目を有無を言わせず押し付けようとしたらしい。どこでもよく見る光景だった。


 「こいつが嫌だって言えないのを分かってて、わざと押し付けただろお前!」


 青い顔をさらに青くした水童先生が富岡くんの間に入った。


 「謝れよ!」


 顔を真かにして噛みつく富岡くんに、押し付けられた当の本人は泣きそうな顔で「もういいよ。僕やるから」と申し出る。

 「こいつやるって言ってるじゃん」「それは押し付けられたから嫌々なんだろ」そんな押し問答が続き、授業時間の終わりを告げるチャイムが鳴り響く。それを機にみんながぞろぞろと動き始め、ヒートアップしていた口論が少し収まる。


 「びっくりしたー」


 そう言いながら席に戻っていく詩子。

 ふと富岡くんに視線を向けると、先ほどまではあれほど怒っていたはずなのに、今はひどく悲しそうな表情でつま先を見つめていた。


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