あやかし神社へようお参りです。②
富岡くんの雪ちゃん自慢が始まって、やれやれと肩を竦める。
度々教室の中で、富岡くんが自慢げに雪ちゃんのことを語っているのを見かけた。
見かけたときは「仲がいいんだなあ」くらいにしか思っていなかったけれど、いざ自分に向かってそれをされると、むず痒いようないたたまれないような気持ちになる。
「……蛍ちゃん、サッカー部」
雪ちゃんが少し頬を染めて富岡くんの服を引っ張った。
「んあっ、忘れてた! お俺もう行くな! 雪子、下足場まで一緒に行こ」
ひとつ頷いた雪子が、富岡くんと同時に立ち上がる。雪子の手をとった富岡くんが「じゃあまた明日!」と勢いよく駆け出す。
「あっ、富岡くん前────」
振り向いたと同時にバン! と勢いよく鼻から扉に激突する。無言で床に蹲った富岡くんに慌てて声をかける。
「大丈夫!?」
「っ、てえ……油断した」
「ちゃんと前見てね……」
直ぐに笑いながら立ち上がるかと思っていたが予想以上に長く蹲る。不安になって傍に駆け寄った。
「蛍ちゃん……?」
雪ちゃんが不安げに覗き込めば、富岡くんは無言で片手でそれを制した。