あやかし神社へようお参りです。②
「冗談ですよ。────僕らは一回りしか離れていなくてね、僕が物心ついた時にはまだ健一さんも十代だったから、“叔父さん”って呼ばれるのが嫌だったみたい。健一さんに『俺はまだ若いんだ』って怒られてからは名前で呼んでるよ」
「麻ちゃんも、俺のこと叔父さんって呼ぶなよ」
すかさずそう言った健一さんに、小さく笑いながら頷いた。
「そう言えば、部活は何に決めたの?」
「あ、郷土史研究部って言う詩子がつくった部なんですけど、メンバーが────」
部の発端や部員のことを話すと、三門さんたちは楽しそうに笑っていた。笑い事ではないのだと訴えたけれど、「何とかなるもんだよ」と流される。
話題が三門さんの学生時代の話にうつったころに、家の固定電話がじりじりと鳴り響いた。
ちょっとごめんね、と立ち上がった三門さんが電話を取る。
気にせず談笑を続けていると、しばらくして勢いよく受話器を置く音がした。驚いて振り返ると、三門さんがひどく慌てた様子で風呂敷に荷物を詰めている。
「どうかしたか」
「ちょっと出かけてきます。もうすぐ裏の社を開ける時刻だから、それだけお願いします」
一息でそう言った三門さんが飛び出すように家を出る。私と健一さんは顔を見合わせる。
「大丈夫、なんでしょうか……」
「大丈夫だろう、三門なら。俺たちもそろそろ準備始めるか」
ひとつ頷いて、私も立ち上がった。