あやかし神社へようお参りです。②
本殿の中、三方に置いた供え物を定められた場所に置く。できました、と振り向きざまに声をかけると、蝋燭に火を灯していた健一さんが「おー、サンキュ」と手を振った。
そう言えば、と口を開くと健一さんは「ん?」と首を傾げて私を見る。
「健一さんも三門さんも、大輔おじさんも。みなさん違う袴ですよね」
んあ? とおかしな声を出した健一さんが自分の袴を見下ろす。
三門さんは水色に近い色の袴で大輔おじさんは紫色の袴、健一さんは紫の紋が入った袴を身に着けている。
「ああ、級のことは知らないか。神職にも階位とか級があって、それに応じて袴が違うんだよ。上から浄階、明階、正階、権正階、直階、もっと細かく特級、一級、二級上、二級、三級、四級ってのがある。
浅黄色の三門は明階三級、紫の兄貴は明階二級、紫に紫紋の俺は明快二級上ってところだな」
「……えっと、つまり」
「この神社の中じゃ一番俺がえらいってこと。三門は俺の子分」
ふふん、と鼻を鳴らした健一さんに小さく吹き出す。
「んじゃ、そろそろいっちょやりますか」
姿勢を正した健一さんに、ひとつ頷き傍に腰を下ろした。