あやかし神社へようお参りです。②
健一さんの声は、低く朗々としていた。柔らかさを感じる三門さんの声とは違った、芯の通った力強い声だ。全然違うんだなあ、なんて思いながら聞いていると、短い祝詞奏上は直ぐに終わった。
蝋燭を吹き消した健一さんが、一礼して振り返る。
「ごめん麻ちゃん」
唐突に謝罪の言葉をかけられて目を瞬かせる。
「三門から、勝手にいろいろと事情を聞いた。なんでこっちに来たのかとか」
確かに今まで何の音沙汰もなかった親戚が突然居候していたら、気になって事情を聞いてしまうのも仕方がない。気にしてません、と首を振ると健一さんは安心したように笑う。
「力のコントロール、上手くいってる?」
「練習はしているんですけど」
そう言葉を濁す。意識して成功したのは、人形の付喪神に祝詞をあげたときだけだ。あれから三門さんに教わった方法で力の使い方を練習しているけれど、上手くいったことは一度もない。
正直にそう話すと、健一さんは難しい顔を浮かべる。
「麻ちゃんさ、ほんとに何も覚えてないのか? 最近になってふっと思い出したりさ、見覚えがあるような気がしたり」
健一さんは突然真剣な目になった。