あやかし神社へようお参りです。②




 富岡くんは雪童子という妖らしい。

 体のすべてが雪と氷の結晶でできている妖で、吹雪く雪の日に積雪の中から生まれてくる妖だ。


 富岡くんも十六年前の冬、積もった雪の中からうまれた。出かけていたみくりが吹雪の中で見つけ出し、社に連れて帰ったのだと聞いた。


 雪童子がその脆い体で日の登る時間を過ごすことは、人間が火の中に飛び込む行為と等しいのだと三門さんは言った。

 そして雪童子は、名前の通り童子────子どもの妖。大人になることがない。雪童子は大人になる前に溶けて水に還り、何年か経った雪の季節にまた生まれてくるのだ。



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