あやかし神社へようお参りです。②
その時、階段の下が騒がしくなった。ふくりを地面に下ろし立ち上がれば、ふたつの人影が鳥居をくぐり階段をかけあがってきている。表の社はじきに閉まる。この時間に人が来るのは珍しかった。
中年の男性と女性だった。優しそうな人柄が顔に現れた人たちだ。額に玉の汗をかいて登ってくる。私に気が付くと真っ直ぐ駆け寄ってきた。
「あの、松野さんという方からお電話をいただいて。私、富岡と申します」
息を弾ませながらそう言ったのは男性の方だった。私のお父さんと同じくらいの年齢だった。
「富岡さん……もしかして、富岡蛍助くんのお父さんですか!」
「はい、息子が、こちらでお世話になっていると」
まだ整わない呼吸で苦しそうにそう言った男性。私は考えるよりも先に「こっちです!」と走り出す。
富岡くんが眠っている客間にそのまま案内しようと自宅の玄関に回る。ドアノブに手を伸ばしたその時、ドアが反対側から押されて、中から三門さんが出てくる。
目を瞬かせた三門さんは、私の後ろをついてきていた男性たちの姿に直ぐに気づく。私を制すようにやんわり肩を押して後ろ手で扉を閉める。