あやかし神社へようお参りです。②
「富岡さんですね」
「は、はい。この度はどうもありがとうございました。蛍助は今……」
「僕の家でゆっくり休んでもらっています。ひとまず社務所にご案内しますね」
そう言った三門さんに私は慌てて詰め寄った。
「三門さん、さきに富岡くんの顔を見せてあげた方がっ」
「麻ちゃん」
「だって、すごく心配されていたと思うし」
もう一度名前を呼ばれて口を噤んだ。三門さんは困ったように眉を下げて笑う。
「私たちからもお願いします。数分間でもいいので、蛍助の顔を見させてもらえませんでしょうか」
富岡くんのお母さんが泣きそうな顔で深く頭を下げた。隣に立っていたお父さんも同じように頭を下げる。
「すみません。────蛍助くんが、誰にも会いたくないと」
蛍助くんのお母さんはわっとその場に崩れ落ちた。
居ても立っても居られなくなった。三門さんの制しを振り切って家の中に飛び込む。廊下を駆け抜けて客間に向かった。