あやかし神社へようお参りです。②
目を伏せたババにはっと気が付く。ババもここへ逃げてきた一人で不安なはず。それなのにしつこく聞きだすのは良くなかった。
「ありがとう。ごめんねババ。ゆっくり休んでて」
「いいんだよ。気を遣わせて悪いね」
「ううん。きっと大丈夫だから。何かあったらすぐに呼んでね」
そう言ってババに別れを告げると、また参道の方へ戻った。きょろきょろと辺りを見回すと、神楽殿の近くにその姿を見つける。急いで駆けよると、三門さんのそばにふくりとみくりがいた。
ちらりと私を一瞥したみくりは、また三門さんと話し始める。ふくりが「おかえり」と尻尾を振ってくれた。
「それじゃあ、裏山の麓で術が使われたんだね?」
「ああ、間違いない。麓から山頂まで大きな力が動いたあとがあった。相当な術者とみた」
「よりによって裏山一帯か。山に住んでいる妖は多い。逃げてくる妖がどんどん増えていくかもしれないね」
腕を組んだ三門さんは一層顔を険しくさせる。
「ふたりとも、また何かわかったことがあったら知らせて」
頷いた二匹は妖でごった返す社頭を風のように走り抜けていった。