あやかし神社へようお参りです。②


 三門さんは子どもたちをぎゅっと抱きしめた。涙を浮かべる子どもたちに胸が痛くなる。

 ふと、足元に気配を感じて視線を落とす。おかっぱ頭に角を生やした三歳くらいの妖が私の袴を掴んで、私をじっと見上げている。その頭をそっと撫でて、小さな手をきゅっと握る。


 「大丈夫だよ。神使さまが、いま安全かどうか見てきてくれてる。直ぐにお家に帰れるからね」


 何かを堪えるようにぎゅっと目を瞑った三門さん。子どもたちをもう一度強く抱きしめると、ゆっくりと立ち上がった。


 「麻ちゃん、皆をお母さんの所までお願い」

 「わかりました」

 「今日は神楽殿を開放するから、泊りたい妖はそこへ来るように伝えて」


 ひとつ頷くと、子どもたちの手を引いて歩き出した。

 やがて日が暮れて、帰ってきたふくりとみくりから裏山はもう安全であることを伝えられると、みんなは少し不安げな顔を浮かべながらもぞろぞろと戻っていった。そして小さな子供のいる家族や年老いた数十人の妖だけが神楽殿に残った。

 今日は社頭で出店を開く妖は少なく、とても静かな夜だった。


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