しあわせ食堂の異世界ご飯４

　一応は学園に通うこともできるのだが、莫大な授業料がかかるため裕福な商人でもなければ厳しいというのが実情だ。
　そのためこの国は、今まで平民から優秀な人間が出ることは非常に少なかった。
　しかし今後、国を発展させていくことを考えるのであれば、この学園改革は有意義なものとなるだろう。

　今まで戦争をしていたこの国だが、リベルトが皇帝となったことによってどんどん変わってきている。
　日本のように……とまではいかないけれど、一定の水準があるのはいいことだ。
「でも、教育基盤ができあがることはいいことですね」
「あー……上手くいけばいいっすね」
　アリアが期待を込めて言ってみたが、ジャンからはなんとも歯切れの悪い返事。お知らせを見た限りだと、いい点ばかりしかないけれどとアリアは思う。
「何か問題があるんですか？」
　無料で通える学園があるなら、活用すればいい。アリアはそう考えたのだが、実際に通うことになる人たちの認識は少し違うようだ。
　おそらく、マイクやジャンも同様だったのだろう。ふたりは顔を見合わせて、軽く肩をすくめた。
「子供にも、やってほしいことは多いっすからね」