しあわせ食堂の異世界ご飯4
 その可愛さに、アリアはリズのことを抱きしめ返す。
「いらっしゃい、リズちゃん。ライナスさんも、足を運んでいただいてありがとうございます」
「いいえ。いつもリズがお世話になっております」
 丁寧に挨拶をしてくれたライナスに、アリアも笑顔で挨拶を返す。

 アリアの弟子になった、七歳の少女リズ。
 澄んだ水色の瞳はまるで宝石のようで、とても可愛らしい。美しい金色の髪は低い位置にパールのついたリボンでお団子を作り、くるりとウェーブがかっている。
 アリアの料理が大好きで、父親のライナスに手料理を振る舞うために弟子入りして頑張っている最中だ。

 優しげな笑みを浮かべているのは、リズの父親であるライナス。
 すらりとした体形で、金髪碧眼。スーツをきっちり着こなす紳士で、いつも仕事の合間にリズの送り迎えをしてくれている。
 物腰柔らかで、ちょっぴり親バカな男性だ。

 アリアは抱きついてきたリズのことを撫でながら、ひとまずは席に行くよう案内をする。
「もうハンバーグは終わっちゃって……カレーでいいですか?」
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