しあわせ食堂の異世界ご飯5
口数が少なくクールで、仕事もできる。リベルトとローレンツには陰から見守りたいという隠れファンが実は多かったりするのだ。
「……と、わたくしが言ったなんて旦那様に言わないでくださいね。ロスタン家とは、対立関係にありますから……」
これもあまり大きな声では言えませんけどねと、侍女が苦笑する。
「そうなのですか……」
(お父さまと、リントお兄さまが対立してる……っていうことですよね)
どちらも大好きなリズにとって、その事実は衝撃的だった。
いや、元々父親と皇帝の関係が良好なものではないことは知っていたが、その相手がリントだとは知らなかったのだ。
(アリアお姉さまはこのことをご存じなのかしら)
あのふたりは仲がいいけれど、リベルトがリントとして接しているのであれば皇帝ということは知らないかもしれない。
(そもそも、アリアお姉さまは平民だもの)
もしリントが皇帝だと知っていたならば、あのような接し方はできないだろう。相手が貴族というだけで、畏まってしまうのが普通なのだから。
考え込んでしまったリズに、侍女は声をかける。
「リズベット様、リベルト陛下はもう行ってしまいましたよ?」
「……と、わたくしが言ったなんて旦那様に言わないでくださいね。ロスタン家とは、対立関係にありますから……」
これもあまり大きな声では言えませんけどねと、侍女が苦笑する。
「そうなのですか……」
(お父さまと、リントお兄さまが対立してる……っていうことですよね)
どちらも大好きなリズにとって、その事実は衝撃的だった。
いや、元々父親と皇帝の関係が良好なものではないことは知っていたが、その相手がリントだとは知らなかったのだ。
(アリアお姉さまはこのことをご存じなのかしら)
あのふたりは仲がいいけれど、リベルトがリントとして接しているのであれば皇帝ということは知らないかもしれない。
(そもそも、アリアお姉さまは平民だもの)
もしリントが皇帝だと知っていたならば、あのような接し方はできないだろう。相手が貴族というだけで、畏まってしまうのが普通なのだから。
考え込んでしまったリズに、侍女は声をかける。
「リズベット様、リベルト陛下はもう行ってしまいましたよ?」