執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
「今日の外回りは終わったので、定時まで事務作業をするつもりですが」
「じゃあ終わったら食事に行こう」
「え?」
「今日は金曜だろ。なにか用事ある?」
「いえ……」
「じゃあ、あとで連絡する」
私がぽかんとしている間にそう言い残し去っていく。
背の高い後ろ姿を眺めながら立ち尽くしていると、ポケットの中のスマホが小さく震えた。
見れば雅文からのメッセージだった。
【あとでまた連絡するから、この番号ちゃんと登録しておいて】という短い一文。
新たに登録するまでもなく、私の連絡帳の中にはちゃんと雅文の番号が残っていた。三年前に別れたというのに、この番号を消せずにいたから。
自分の未練がましさにうんざりしてため息をついた。