執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
「今でも家で弟たちの面倒みているのか?」
そうたずねられ、平静を装いながら「ううん」と首を横に振った。
「私は大学卒業と同時に家を出たの。そのころ母が再婚して、『まどかは今まで家族のために頑張ってくれたけど、気を使わないで実家を出てひとり暮らしをしていいのよ』って言われちゃった」
「それがさみしかったんだ?」
雅文に顔をのぞきこまれ、うつむきがちにうなずいた。
「ちょっとだけね。母が私のことを考えて家を出るようすすめたってわかってはいるんだけど、なんだかもう私の手は必要ないって言われたような気がしちゃって。いい歳をしてそんなことをさみしく感じるなんて、家族ばなれできてなくてバカみたいでしょ」
私がそう言うと、雅文は「あー」と天井をあおいでうなった。
どうしたんだろうと不思議に思っていると、困ったように眉をさげている。
「今、めちゃくちゃ広瀬の頭をなでてやりたいのに、両手がふさがってる」
自分が抱える段ボール箱を見下ろしてじれったそうにつぶやいた。