執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~

 ああやって髪をなでられて嬉しかったのは、雅文が好きだからだ。
 でも、ここで否定すれば、私が雅文に恋心を抱いているのがバレてしまうかもしれない。

 モテる雅文が私なんかを相手にするわけがないし、せっかく仲の良い同期なのに振られて気まずい関係になりたくない。

 どうやってごまかせばいいんだろうと必死に考えていると、雅文が私の顔をのぞきこんだ。

「ダメだよ」

 綺麗な黒い瞳にまっすぐに見つめられ、私は「え?」と目をまたたかせる。

「広瀬がこうやって甘えたり髪をなでるのを許すのは、俺だけにして」
「どういう、意味?」

 こわごわとたずねると、雅文は小さく笑った。

「本当に鈍いよな。まぁ、そういうところもかわいいんだけど」

 ため息交じりの言葉に、一気に頭に血が上る。

「か、かわいいって。そうやってからかわないでよ」

 動揺のあまり目が潤んで慌ててうつむくと、雅文は「からかってない」と短く言って私の頭を胸に抱きこんだ。
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