執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
同じく恋愛初心者のはずなのにこの違いは、もともとのスペックの差なのか。なんて少し悔しくなる。
「広瀬、終わりそう? なにか手伝おうか」
終業時間に背後から雅文に声を掛けられ、「ひっ!」と跳び上がった。
「ひっ!ってなんだよ。おどろきすぎ」
くすくすと肩を揺らして笑う雅文に、必死に平静をよそおいながらぎこちなく首を振る。
「だ、大丈夫。もう終わるから」
「そ?」
わずかに首をかしげ微笑んだ雅文に、心臓が痛いくらいにきゅんとした。雅文は長身をかがめ、私の耳元に唇をよせる。
「……じゃあ、下のエントランスにあるカフェで待ってる」
私だけに聞こえるようにささやかれ、ぶわわわっと一気に頭に血が上った。なんとか無言でうなずくと、雅文は「お先に失礼します」とさわやかに言いフロアをあとにする。