執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
なぜか私のことと断定して話す大山さんに、慌てて首を横に振る。
すると大山さんは「わかってます」と肩を揺らして笑った。
「それよりも広瀬さん、まだ帰らないんですか?」
そう言われ時計を見る。もう終業時間はとっくにすぎている。
下のカフェで雅文を待たせていることを思い出して跳び上がった。
「あ、本当だ! 大山さん、ペンを拾ってくれてありがとう!」
「いえいえ。じゃあまた来週」
ニヤニヤと手を振る大山さんに頭をさげて「お先に失礼します」とフロアを出る。
エントランスにあるカフェに急いで向かうと、スタンディングテーブルに軽く肘をおいて寄り掛かる雅文の姿を見つけた。
まるで雑誌のいちページのようなリラックスした様子がさまになっている。動揺してペン立てのペンをぶちまける自分とは大違いだなと少し憎らしくなる。