執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~

「おはようございます、広瀬さん」と声を掛けられ、その距離の近さに少し驚きながら「おはよう」と返す。

「金曜日は瀧内部長となにか約束をしていたんですか?」

 仏頂面で問われ、咄嗟に首を横に振る。

「いや、別に……」
「広瀬さんって、瀧内部長のことが好きなんですか?」
「え……?」

 意味が分からず、瞬きをしながら谷村くんを見上げる。

「なんで」
「俺は、広瀬さんをずっと見てたからわかりますよ。広瀬さんがすごく瀧内部長を意識してること」

 どうやら私たちが以前付き合っていたことまでは知らないようだ。ほっと胸をなでおろすと、谷村くんはまっすぐに私を見つめていた。

「俺、広瀬さんのことが好きです」

 はっきりとそう言われ、息をのむ。

「す、好きって」

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