執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
「谷村くん。今の話はこんな場所でする内容じゃないし、もうすぐ始業時間だから行こうか」
そう言って歩き出そうとすると、背の高い男の人がこちらを見ているのに気が付いた。
「あ、瀧内部長……」
谷村くんが雅文に気付いて気まずそうな声を出す。
もしかして、今の会話を聞かれていたのかな。
それじゃなくても先週末約束をドタキャンして勝手に帰ったから、なんだかうしろめたい。
「おはようございます」
私が挨拶をすると、雅文は小さくため息をついてから「おはよう」と返してくれた。そして前を向いて広い歩幅で歩いて行く。
そのさっそうとした後姿を見ているとキリリと胃のあたりが痛んで、私は服の上からぎゅっと腹部を握りしめた。