執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~

「俺が押し付けても、スタッフが自分たちで気づいても、結局やることが一緒ならどっちでもよくないですか? むしろ最初から結論を出してあげた方が効率的じゃないですか。それなのにちょっと現場から不満が出たからって、俺が悪者にされるって納得できないです。瀧内部長は俺が広瀬さんに告白してる場面を見たから嫉妬して、嫌がらせしてるんですよ」

 その言葉を聞いているうちに頭が痛くなってきて、自分を落ち着かせるように大きく息を吐き出した。

「谷村くん、それ本気で言ってる? 瀧内部長はそんなことで私情を挟む人じゃないよ」

 三年間日本で一緒に働いてきたからわかる。
 それにそんな器の小さな人なら、誰もが難しいと思っていた海外進出をこの短期間で成功させられるわけがない。

「私たちは全国どこの店舗でも同じ看板をかけて同じ商品を売っているけど、全部同じやり方でうまくいくはずがない。働いているスタッフも、来店してくれるお客様も、ひとりひとり違う人間なんだから」
「ですけど……」
「それに、私たちが必要としているのは、本社の言うとおりに動くだけの店舗スタッフじゃない。一緒に目標を持ってお互いに尊重しながら仕事をしていける仲間だよ」

 強い口調でそう言うと、谷村くんは肩を落としうつむく。

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