執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~


「瀧内部長、広瀬さんはこう見えてかわいいところもあるんですよ」

 酔っぱらいの彼女たちが今度はなにを言い出すんだと身構えていると、とんでもない爆弾が放りこまれた。

「瀧内部長がアメリカに赴任したあと、広瀬さんさみしかったみたいで、仕事中いつも涙ぐんでいたんですよ」

 大山さんの言葉を聞いて、私はゴフッと音をたててせきこんだ。慌ててハンカチを出し口元をぬぐう。

「いや、涙ぐんでなんてないから!」
「またそうやって強がらなくていいんですよ。私ちゃんと気づいてましたもん」
「それは、そう。花粉症だったの、花粉症」
「でもその次の年からは涙ぐんだりしてないですよね?」
「じゃあきっと、その年だけ異常に花粉が多かったんだね!」

 口元をひきつらせながら笑顔を向けてむりやり大山さんを納得させると、背後で噴き出す声がした。
 おそるおそる振り返ると、雅文が頬にしわを寄せお腹をかかえて笑っていた。

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