執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
金曜の夜のせいか飲食店が並ぶ通りは賑わっていて、色とりどりの看板や店の灯りが目にまぶしい。
やけに光がにじんで見えるなと不思議に思って、自分が涙ぐんでいることに気が付いた。
ふわりと髪が夜風になびいた。それだけで、優しく私の髪をかきまぜた雅文の長い指の感触を思い出してしまう。
彼とはもう三年も前に別れたのに。ずっと忘れようと努力してきたのに。もう二度と傷つきたくないのに。あんなつらい思いはしたくないのに。
だめだとわかっているのに、どうしようもなく惹かれている自分がいる。
「あー。もう……!」
星も見えない夜空を見上げひとりつぶやくと、「まどかさん?」と声をかけられた。
おどろいてふりむくと、ふわふわとした茶色の髪が視界に入った。