執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~

「あ、瞬くん」

 朋美の彼氏の瞬くんだ。

「どうしたんですか? 泣きそうな顔をしてますよ」

 そうたずねられ、「いや、別に」と慌てて手で目元を隠す。

「前に話してた元カレと、なにかあったんですか?」
「別に、なにもないから」

 首を横に振ったけれど、自分でも説得力のない言い訳だと思う。
 だって、なにもなかったら、いい歳をした女がこんな道端でひとり涙ぐんでいるわけがない。

「なんだか朋美ちゃんとまどかさんって、友達なのに正反対ですよね」

 そう言われ首をかしげると、瞬くんはくすりと笑った。

「好きだから傷つけられてもとことん信じてくれる朋美ちゃんと、好きだから傷つけられたくなくて臆病になるまどかさん。対照的だなと思って」

 今まさに雅文の歓迎会から逃げ出してきた私は、図星をさされぐっと言葉に詰まる。けれど眉を寄せてすぐに言い返した。

「えらそうに言ってるけど、何度も浮気をして朋美を泣かす瞬くんが一番問題アリだからね?」
「確かに!」

 私の反論にポンと手を打って笑う瞬くんに、さらに顔をけわしくする。
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