執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~


 その数日後、会社でマーケティング部の田端くんに呼び出された。


 部署を問わず誰でも自由に使えるミーティングスペースで向かいあい、「いきなり呼び出して悪い」と言った彼に「いいよ。仕事の話でしょ?」と笑って首を横に振る。

「いや、仕事の話じゃなくて」

 田端くんの険しいその表情に、なんだろうと不安を感じて笑顔が消えた。

「この前、大学時代の友達から腹が立つ話を聞いたんだ」
「腹が立つ話って?」

 なにを言っているのかさっぱりわからなくて、困惑しながら繰り返す。

「あいつ、社長の孫でこの会社の御曹司なのに、そのことを隠して俺らを騙してたんだって」
「待って待って。あいつって誰?」
「瀧内だよ」

 ぶっきらぼうに言われ、驚きで体が強張った。

 雅文が社長の孫で御曹司? 嘘でしょう?


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