執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
「全部演技に決まってるだろ。そうやって恋愛経験のない女を騙して遊んでるから、処女食いなんて言われてんだよ」
あれが演技? 私は騙されていたの? 真っ黒な疑念で胸の中が塗りつくされる。
冷たくなった指先が細かく震えていた。
「そ、そんなの、信じられない。雅文に本当かどうか聞いて……」
「本人に聞いたところで、遊びの女に本当のことを言うと思うのか?」
ばかだな。とつぶやいた田端くんの言葉は、どこか楽しげに聞こえた。
「適当にごまかされるにきまってるだろ。お前みたいな恋愛経験のない鈍い女をだますなんて、あいつにとっちゃ簡単なことなんだよ。それとも広瀬は自分が男から愛される価値のある女だと思ってんの?」
「価値……」
私が力ない声でそう繰り返すと、田端くんの唇がゆるやかな弧を描く。
「大体あいつは伊野瀬コーポレーションの御曹司だぞ? お前、自分がこの会社の後継者の妻になれると思ってんの? 今は社長の孫って身分を隠して適当に女をだまして遊んでるだけだ。瀧内が気が済むまで楽しんだら、お前は捨てられるんだよ」
青ざめて黙り込む私に向かって、田端くんは穏やかな口調で追い打ちをかける。