執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~

「ほら、私の言う通り友達のところに来たでしょ。送ってもらって助かったけど、気が済んだなら帰って……」

 私が小声で言うと、朋美は鼻をすすりながら「わざわざ来てもらったのに、帰らせるなんて悪いよ」と雅文に部屋にあがるようにうながした。

「すみません。迷惑も考えずについてきてしまって」
「いえ、こっちこそすみません。朝から電話してまどかに泣きついちゃって」と、雅文と朋美はお互いに頭を下げる。
「もしよかったら、男性の意見も聞きたいのでまどかと一緒に話を聞いてもらえますか?」

 朋美からそうお願いされ、私たちはうなずいて朋美の部屋に上がった。
 瞬くんは留守のようで、リビングのローテーブルの周りに三人で座る。

 朋美には雅文と別れたことや再会したときのことを包み隠さず相談し、散々愚痴をきいてもらっていたから、このふたりが対面している状況になんだか落ち着かない気分になる。

「朋美、なにがあったの?」

 あきらかに泣きはらした真っ赤な目の朋美を心配してたずねると、彼女はぐすっと鼻をすすってから口を開いた。

「瞬くんが、帰ってこないの……。電話をかけても電源がきれてるし、また浮気してるのかも」

 言いながら、どんどん涙声になっていく。その朋美の深刻な表情に、私は戸惑いながら問いかけた。

< 210 / 283 >

この作品をシェア

pagetop