執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~

 雅文はそのまま軽く顔をかたむけ、私の手のひらにキスをした。
 やわらかい唇の感触に、ぶわっと頭に血が上る。

 真っ赤になった私を見て、雅文は笑みを深くする。
 色っぽい視線に見つめられ、背筋がとろけてしまうかと思った。

「好きだよ、まどか」

 甘いささやきに心がゆらぐ。
 けれど脳裏に先週田端くんから言われた言葉を思い出した。

『――騙されて遊ばれて三年も放置されたのに、日本に帰ってきた瀧内にまたちょっかいだされて簡単にその気になって。広瀬は本当に都合のいい女だよな』
 耳の奥に侮蔑のこめられた口調がよみがえり、私はぎゅっと唇をかむ。

 必死に理性をふるいたたせ、つかまれていた腕を振りほどいた。

「私はもう、好きじゃない」

 私の拒絶の言葉を聞いても、雅文は顔色ひとつ変えなかった。


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