執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~

「トーワカフェのこと、聞いた?」
「今聞いたけど……」

 ぎこちなくうなずくと、田端くんは私の耳元に唇を近づけて囁いた。

「あの情報流したの、広瀬だろ」
「え?」

 突然なにを言い出すんだろう。
 言葉の意味が分からずに困惑して眉をよせると、田端くんはゆかいそうに肩を上げて笑った。

「お前、手帳に新店舗のデザイン案をはさんでたよな?」

 なんでそのことを。そう思ってはっとする。

 前にリフレッシュスペースで話していたとき、私がバッグの中身を床にばらまいてしまったことがあった。
 田端くんは散らばった荷物を拾ってくれたけれど、そのとき手帳を見られていた……?

 人の荷物を勝手に盗み見た田端くんに、不信感が沸き上がる。

「お前がトーワカフェに情報を漏らした犯人だろ」

 田端くんは深刻そうな表情で言いながらもその口調はどこか楽しげで、ぞくりと背筋が寒くなった。


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