執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~

「そんなこと、するわけないでしょ?」

 大好きなこの会社を、INO’S COFFEEを裏切るようなことをするわけがない。毅然と主張したけれど、田端くんはまったく信じていないようだった。

「じゃあ、どうして広瀬があの店舗デザインを持ってたんだよ」
「それは……」

 問い詰められ口ごもる。
 雅文が好意で渡してくれたものだけど、それを言えば雅文に迷惑がかかるかもしれない。

「ほら、後ろめたいことがあるからはっきり言えないんだろ」

 黙り込んだ私に向かって、田端くんは勝ち誇ったように笑った。

「もう俺の親父には言ってあるから、どんな処分になるか楽しみだな。瀧内もお前に失望するだろうな」
「親父って、専務に? なんの確証もないのにどうしてそんなこと。私は機密情報を漏らしたりしてない」
「そんな言い訳をしたって無駄だって。あきらめろよ。専務の息子の俺と平社員のお前。経営陣がどっちの言葉を信じると思う?」

 田端くんの言葉に、眉をひそめる。
 真実なんてどうでもよくて、私を陥れることを目的としているみたいだ。
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