執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
どうしてここに。
信じられなくてそうつぶやく。
雅文は相当急いできたのか、息を切らし肩を上下させていた。
ぼうぜんとする私の前で、雅文は田端くんに向かって一歩踏み出しながら口を開く。
「俺の足を引っ張るだけじゃなく、ライバル会社と裏で取引をして情報を流してそれをまどかの罪にして、俺へのいやがらせのためにまどかを無理やり抱こうとするなんて。どこまで落ちれば気が済むんだ」
地面にしりもちをついた田端くんに、冴え凍るような冷ややかな視線を向ける。
いつも通りの穏やかな口調だけど、その端正な横顔にはものを言わせぬ迫力があった。
彼がものすごく怒っているのが伝わってくる。
そんな彼に気圧され、さっきまでの威勢が嘘のように田端くんはおびえた表情で雅文を見上げ後ずさりをした。
「瀧内、これは違うんだ。情報を流したのはトーワカフェから無理やり強要されて仕方なく……」
この期に及んで言い訳をしようとする田端くんに、雅文は「ふざけるな」と眉をよせる。
「田端が機密情報を社外に漏らしていたことはトーワカフェからも裏を取って、社長にも専務にも報告してある。あちらの担当者は近く処分されるはずだ。もちろん、お前もな」