執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
「私は疑われていたから本社から店舗に異動になったわけじゃないの?」
「まどかを疑うやつなんて社内にひとりもいないよ。犯人を警戒させないために一時的に本社から離れてもらう措置をとっただけだ。事情も説明せず不安にさせてごめん。すぐに元の部署に戻れるようにするから」
そう謝られ、ほっと胸をなでおろす。
よかった。もうずっと本社に戻れないのかと思った。
「今回トーワカフェに流れたのは、まどかに渡した新店舗のデザイン案を写真に撮ったものだった。あれは実は不採用のものでまどかが持っている一枚しかのこってない」
「そうだったの?」
「それがトーワカフェに流れたことと、田端がまどかを犯人だと言い出したことで、彼に疑いの目が向いたんだ。あのデザインを知りうるほかの社員たちはあれが不採用のものだと知っていたから、わざわざそんな古い情報をライバル社に流すわけがない」
不採用の古いデザインだから、雅文は私にこの店舗デザインを持ってても大丈夫と言ったんだ。そう思いながらバッグから手帳を出し、そこに挟んであったデザイン案を眺める。