執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
私が頭をさげると、雅文の手がこちらにのびてきた。
ぽんと頭をなで、そのまま髪をかきまぜられる。
「それを言うなら、臆病なのは俺のほうだよ。学生時代、俺が御曹司だって知ったとたんまわりの女子の反応が変わった。そのときのことが忘れられなくて、まどかに社長の孫だって言い出せずにいた。嘘をついて傷つけてごめん」
「ふたりとも臆病で不器用だったんだね」
「そのせいで三年間も遠回りしていたんだな」
そう言って見つめあう。
なんだか照れくさくて私が肩をすくめて笑うと、雅文が「あー……」とじれったそうにつぶやいた。
「どうしたの?」
「まどかのこと、めちゃくちゃ抱きしめてキスしたい」
ストレートに欲望を言葉にされ、ぶわっと頭に血が上る。
「で、でも、車の中だし……っ!」
動揺しながら首を横に振ると、雅文は「明日は仕事?」と聞いてきた。
「明日は土曜だからお休みだよ」とうなずく。
店舗は年中無休だけど突然の異動だったので本社に合わせて土日が休みになっていた。
「じゃあ、俺の家に連れて帰ってもいい? たぶん、一晩中離さないと思うけど」
甘い流し目を向けられ、慌てて顔をふせた。
そうやって宣言されるとドキドキしてどうしていいのかわからなくなる。