執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
「よかった。広瀬に嫌われてなくて」
白い歯を見せて笑った雅文は、手を伸ばしぽんと私の頭をなでた。その瞬間、魔法にかかったように体の自由が奪われた気がした。
「じゃ、青山さんのこと頼むな」
そう言い残し店舗のほうへと歩いていく雅文。
遠ざかっていく靴音を背中で聞きながら、私は胸の前でぎゅっと手を握りしめる。
私の心臓はものすごい勢いでドキドキと音をたてていた。
至近距離で笑いかけられるだけで女の子をこんな気持ちにさせるなんて。イケメンの笑顔の威力はすごいな、と感心してしまう。
「内藤店長、見ました? 瀧内くんの頭ぽんぽんからの微笑み。あんなの至近距離でお見舞いされたら女の子は一撃で恋に落ちちゃいそうですよね」
思わずその場にいた内藤店長に同意を求めると、私たちのやりとりを見ていた彼はあきれたように大きな肩を上げた。
「すごいのは瀧内のイケメンスマイルに負けない広瀬の鈍感さだと思うけど」
「どういう意味ですか?」
「なんでもなーい」
店長はそう言うと、クマのような体をゆらし店舗のほうへと歩いて行った。