執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~



「青山さん、ちょっとだけいいかな」

 その日、お店のクローズ作業をしている最中に、例の女子大生の青山さんに声をかける。

「はい……」

 こわごわした様子で黒縁の眼鏡の向こうから上目遣いにこちらを見る青山さんを、リラックスさせるように笑いかける。

「バイト辞めたいんだってね。なにか事情があるの?」

 軽い口調でたずねると、彼女は小さく息をのんでからうつむいてしまった。

「私、ドリンクを作るのが苦手で、練習ではできるのにお客さんがいると緊張して頭が真っ白になって手順が飛んじゃって……」

 小さな声で言った彼女に「そっか」とつぶやく。

「青山さん。もしよかったら帰る前に一杯だけ、一緒にコーヒー飲まない?」
「はぁ……」

 私ののんきなお誘いに、青山さんは拍子抜けした様子でうなずいた。


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