執着求愛~一途な御曹司の滴る独占欲~
 

「雅文……、私、酔ってる」

 たくましい胸を押し返しながら言い訳をするようにつぶやくと、雅文は「わかってる」とうなずく。
  
「酔っているまどかをホテルに連れ込むなんて卑怯だってわかってる。それでも、どうしてもまどかを抱きたかった」
 
 欲望を隠そうともしない色っぽい声を耳の中に吹き込まれ、体の中心が甘くしびれた。

 三年前、私はこの人に裏切られ傷つけられたのに。その傷は今でも癒えることなく胸の奥でくすぶっているままなのに。どうしてこんなに心を揺さぶられてしまうんだろう。

 私の体を知り尽くした指は的確に弱いところをなぞり、緊張で強張る私を色っぽくたぶらかすように快楽で溶かし開いていった。

「や、雅文……っ」

 声をこらえることもできずただ喘がされているのが恥ずかしくて、イヤイヤとシーツに後頭部を擦り付けるように首を横に振る。

「まどか、かわいい。口では恥ずかしがっていやがるくせに、体は素直に反応するところ、あの頃と変わってない」

 愛おしそうな甘い表情でみつめながらそんなことを言われたら、勘違いしそうになる。


 
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